同感
休日、出勤途中、有隣堂横浜ルミネ店に寄り、文庫やら雑誌やら単行本やらを手に取りぱらぱらめくっていたら、以下のような文章が目に飛び込んできた。少し長いが引用する。
「相田みつをの詩は人気だよ、という人もいることだろう。たしかにそれは行分けのスタイルをとる。詩のかたちだ。ほとんどは二、三行の感想のようなもの。見る人が見えやすいように、行分けしたものだ。みんな疲れているので、頭をつかわなくてもいいものにとびつく。そんな現代人のためのことばだ。内容的にも表現のうえでも詩というほどのものではない。これが詩なら、むしろ読む人のほうがもっとじょうずに書けるのではないかと思われるようなもので、その点、安心できる。ことばに、個人の息づかいを感じるときの不安を、その「作品」はいささかも感じさせない。」
呵呵大笑。有隣堂横浜ルミネ店の、その辺にいた客たちは、突然わたしが笑い出したので、変な人だとでも思ったのだろう、ササササ…と、わたしの傍から離れていった。
荒川洋治『詩とことば』(岩波書店)さっそく買った。この毒舌! この笑い! 絶好調!!
うん、うん。
相田みつをの詩を目にすると、なぜかとっさに「しまった!」と思ってしまいます。
相田みつをの詩を部屋に張っている人とはどうもうまくやっていけません。
道端で詩を書いて売っている人を見ると、ブルーになります。
ヒロシです。
>中島さん
おもしろすぎ。かつ、激しく同感!
昔よく行っていた赤羽のスナックのトイレにやっぱり貼ってあってね、半眼になりながら「にんげんだもの」を目にすると、酔っ払ってるもんだから、
「にんげんだもの、なんだってんだ、文句あっか。酔っ払ってんだよこちとら、ウイッ!」なんて毒づいておりました。ダハハハハ…
タケシです。
そういえば今日テレビでやってたのをチラッと聞いたのですが、書道かなにかの時間に相田みつをの詩を書いてきた子に先生が、そんなふざけた文はダメだと叱ったということが問題になっているようでした。
相田みつをを知らなかったのでしょうし、あの感覚を理解する感性ではなかったのでしょうが、案外素直な先生だったかも。
もうちょっと詳しく見ておくんだった!残念。
荒川洋治『詩とことば』。
三浦さんの日記を読んですぐに書店に走り、買ってきて一気に読みました。
時折、鋭い指摘があってはっとさせられました。ただ、凡庸な分析も多いですね。
三浦さんが引用している直前からの流れが、痛快ですね。
「ことばに、個人の息づかいを感じるときの不安を、その「作品」はいささかも感じさせない。」
この相田みつを評は秀逸です!
私は相田みつをの詩と片岡鶴太郎の絵に、何か同じものを感じてしまいます。
お、鋭いご意見! でも、そうだと思います。
中島さんの最後の一行を読み、朝から大笑い、目が覚めた。相田みつをと片岡鶴太郎を合体し一枚の色紙に並べると安心でき完璧じゃないでしょうか。