結論

 書店営業に力を入れるべく、販売代行を業とする「ことばの本ネットワーク」の二人を呼び、打ち合わせ。しばらく試験的に東京を中心とする関東近県の大型書店300店を順次回ってもらうことにした。
 特に『大河ドラマ「義経」が出来るまで』は、返品を恐れず、平積みしてもらえるよう一冊でも多く注文を取って欲しいと頼む。「義経」の第一回視聴率は歴代七位の記録だそうだが、ディレクターの黛さんの熱は半端じゃないし、ドラマがこれからますます面白くなることは、第一回の放送を見て確信した。冷静な計算は大事だが、冷めた計算内の仕事は、計算以上のことを生まぬ。以上のものが生まれるとしたら、それはそこに熱があるからだ、なんてことを講釈し、ではどうぞよろしく、と。
 いろいろ興味深い話もあったが、一番なるほどと思わされたのは、売れない本は、販売のプロがどんなに意を尽くしても売れない。それより、売れる本で、まだ十分に手を尽くしていない本に力を注ぐのが効率的だし合理的ではないのか、ということ。仰る通りだ。要するに、売れない本は逆立ちしても売れない。あはははは…。スッキリ。自虐の詩を歌うしかないのか。しかし、結論はそうでも、それならそれで、捩じれた自虐の念をバネに、また工夫のしがいがあろうというもの。
 保土ヶ谷にある本屋・第二日本堂の二代目ご主人から、以前、「社長のところの本は難しいからなあ」と言われたことがある。肝に銘じた。わかってますわかってます。奥邃先生、難しいもんなあ。思案のしどころ。
 販売会社の二人が興味を示した本は、これから出るものでは、『大河ドラマ「義経」が出来るまで』『ママには内緒だよ』『愛妻切紙四十八手』、既刊分では『東大全共闘・68-70』『恋愛科学的就職内定術』『待つしかない、か。』『現代日本語モンゴル語辞典』ふーん、なるほど。
 帯だ帯。『義経』は帯をもう少し工夫しよう。