日々の求道

 

若いころから南こうせつさんの声が好きで「神田川」をはじめ、
いろいろ聴いてきました。
テレビにでていれば、
チャンネンルを変えずにさいごまで見ます。
こうせつさんの声は、
2021年に他界された装丁家の桂川潤さんをほうふつとさせます。
声が似ている気がします。
そんなこともあり、
前田祥丈(まえだ よしたけ)さんがインタビュアーとなってまとまられた
こうせつさんの『いつも歌があった』を手にとりました。
まだ読み始めですが、
すごく味のあるイラストがけっこう入っており、
だれが描いたのだろうと思ったら、
こうせつさんでした。
へ~、こんな絵を描くんだぁ。知らなかった!

 

僕の家はお寺でしたから、母が炊くご飯の香りと同時に、
本堂のほうからポクポクと木魚の音が聞こえてくる。
父の毎日の朝のお勤めです。
ある時、父に、
「こうやって毎朝拝んでいるけど、本当に仏様っているんですか?」
と聞いたら、
父は笑っているだけで答えてくれなかった。
でも、それが自分のテーマになっていきました。
仏様ってなんだろう?
というのが。
(南こうせつ[著]『いつも歌があった』yamaha music media、2019年、p.25)

 

母の炊くご飯の香りと本堂から聞こえてくる木魚の音。
ああ、これがこうせつさんの音楽かな、
って思いました。

 

・コーヒーを一杯の間の枯野かな  野衾