ラーメンと孤独
今月13日に谷川俊太郎さんが亡くなられたとニュースで知り、
思い出をこの欄に記しましたが、
その後も谷川さんのことを思い浮かべながら、
あることを思い出しました。
拙宅にお招きし、
手づくりのラーメンを供したときのことです。
どういう話の流れだったのか
は忘れてしまいましたが、
谷川さん「だって孤独は前提でしょ」
とおっしゃった。
孤独は、わたしにとりましても、だいじなことではありますが、
そんなに好ましいものではなく、
できればあまり陥りたくない。
そんなふうに思ってきたし、
いまも少なからず思っています。
ヒトはひとりでこの世にやってきて、
去ってゆくときもまたひとり、
といわれれば、そのとおりで、異論はないのですが、
正直なところ、
気持ちが穏やかではありません。
とじぇねワラシはいつの間にか、とじぇねジッコになっていた。
そういうわたしに降ってきたことば。
「だって孤独は前提でしょ」
前提。ゼンテー。
孤独を擬人化して、向き合ったり、仲よくしたり、
するような言説はよく耳にし目にするけれど、
前提となると、
足もとにあって、
二足歩行をはじめたニンゲンがニンゲンであることと同義にちかい感じもし、
目から鱗が落ちるような衝撃を覚えた
ことを思い出しました。
谷川さんの詩も読んできたけれど、
これからも読むと思いますが、
声をともなった直接のことばが大きく足下を照らします。
谷川さんのご冥福をお祈りします。
・蓑虫や無限といまの狭間にて 野衾