やさしいこころ

 

仕事でもプライベートでも、とくに何ということもなく、
ふつうにしゃべっているのに、
ことばの意味を超えて、ことばに盛られたじぶんの声の冷たさにハッとする
ことがあります。
いけない! と感じて、
ひつよう最小限のこと以外はしゃべらないようにします。
どうやら疲れてくるとそうなりがちな気がする。
やさしくないなぁ、
と思う。
じぶんの体感体験としてそんなふうに感じることがあり、
ということは、
どなたでもそういうことがあるのかな
とも想像します。
「どうしてそんなこと言うの?」
「どうしてそんな言い方するの?」
と感じるときは、
そのことばを口にした人が、疲れ果て、その人が本来有っているよいところ
が隠れているしまっているかもしれない。
相手を否定したくなったら、じぶんはどうかと考える。
やさしいこころを、ことばに乗せたい。
わたしの叔母からこんな話を聞いたことがあります。
「亡くなった母(わたしの祖母)からいつも言われていたことがある。
なんだか分かる?
それは、いちど口から出たことばは戻せない
ということ。ときどき思い出す…」
祖母は、経験からそのことをみずからの教訓にしていたのかもしれません。
かざったことばでなく、あいさつや何気ないことばを、
やさしいこころで伝えたい。

 

・週末や佳きこともあり冬の月  野衾