さびさび!!
秋田のわたしの地方では、寒いことを「さび」といいます。
いくら大声で「寒い」といっても、
あまり寒くない。
「さび」といって、ようやく寒い。
いまこうして文章を入力しながら、小声で「さび」を実演してみて気づいた
のですが、
どうも「さび」の「び」が利いている。
「び」は濁点なので、
なんだかからだにヒビでも入るようだし、
ガラスがビビビ!とふるえる
ようでもあります。
「さび」を重ねて「さびさび」といえばさらに寒く、
「う~っさびさび!!」とやれば、これはもう、身も凍るほど寒い
わけです。
きのうは寒かったですが、サビ、
ではなかった。
「サビ」には、乾いた空からちらちらと雪が降ってくる、
天を見あげる子どものイメージも重なります。
ところで。
きのう、このブログに「谷川さんのこと」を書きました。
一日の仕事を終え、
自宅近くの坂道を上っていたとき、
不意に思い出した。
谷川さんが佐々木幹郎さんに「佐々木さんだったら、どう言うの?」
と問いかけたとき、
佐々木さんは「スープが寝ている」
とおっしゃった。
それを思い出しました。
それで、
「寝ている」の説明がされ、
それを受けての谷川さんの「さすが詩人!」
でありました。
「立っている」に対して「寝ている」。
なんという褒めことば。
きのうのブログのそこのところを訂正しておきましたが、
きのう読んで、きょうは見ない人がほとんどかな
と思い、
ここに記します。
・ふくろふが五郎助呆と鳴く日かな 野衾