26期目

 

弊社は1999年10月1日に創業しましたので、
きょうから26年目に入ります。
ながかったような、みじかかったような。
この間、
刊行点数は優に1000点を超えました。
現在、
これまでどおりの紙の本のほかに、
時代の趨勢にあわせ、
電子書籍、オンデマンド印刷による本も手掛けています。
時代は刻々と様変りしていきますが、
本づくりに編集は欠かせないようです。
芝居の演出に似ている気もします。
いかにすぐれた書き手、いかにすぐれた原稿でも、
人の手になるかぎり、
本人にも気づかない癖があります。
それは100パーセントといっていいでしょう。
編集の要諦は、
ていねいな精読にあると信じていますが、
その過程で、
著者それぞれの癖に気づき、
それを著者につたえることがとても重要であると、
このごろとみに感じます。
出版は、
とくに学術書の出版は、もうかる商売ではないというのが、
四半世紀を経ての実感ですが、
それで十分であるとも感じています。
けしてもうかる商売ではないけれど、
やりがい、生きがいを感じます。
さて、つぎの四半世紀、世界が、弊社がどうなっていくのか、
いただく原稿を精読しながら、
考え、考え、一冊一冊、
著者と読者に喜んでいただける本を、
これからもていねいにつくりつづけたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

・いくつかのことば忘れて秋の風  野衾