本は友だちに似て

 

かぞえてみたら、途中まで読んで止めている本がけっこうありました。
最後まで読むまえに興味がほかへ移ったり、
仕事の関係からどうしても先に読む必要が生じたりして、
そうなってしまうことが間々あるようです。
でも、
あ、そうだ、途中になっていたんだ、と気づき、
おもむろに手に取り、
しおりを挟んであるところから読み継ぐと、
すぐにその本の個性が感じ分けられ、
読みすすめることができます。
さらに、
途中で止め、読書をふくめて、その間の体験が作用してか、
当初の興味とはまたちがった角度で文章の味わいが増すように感じられる
ことがあります。
友だちとしばらく、あるいは、長く会わずにいて、
久しぶりに会ってみると、
ああ変らずにその人だと感じられ安心し、
また、ほんの少し変った気もし、
友だちから見たらきっとわたしもそうなんだろうと思って、
なつかしく、また新鮮な驚きがあったりしますが、
そういうところも、
本と似ている気がします。

弊社はきょうが仕事始め。
本年もよろしくお願い申し上げます。

 

・去年今年かへらぬ水の辺りかな  野衾