選択の積み重ね

 

朝、目が覚めたときから、夜、眠るときまで、こまかいことまで含めて、
いったいいくつ選択しているのだろう、
みたいなことを、ふと。
たとえば、
目が覚めて、すぐにムクリと起き出すか、
三十秒ぐらい待ってからか、
はたまた五分後か、
いや、十分、十五分ぐらい待ってから、
なんて。
うつらうつらしながら過ごしているうちにまた寝入ってしまったり。
事程左様に、
いま、いま、いま、は、
選択の連鎖連続によって成り立っているなぁと。
そんなことを考えたのは、
日曜日のテレビ番組
「世界の果てまでイッテQ!」
を見たからです。
カンヌ国際映画祭で会場に向かう通路の横で待ち、
世界のスターたちがそこを通るとすかさず出川さんが大声をかけて振り向かせ、
出川さんとのツーショットを撮る、
というもの。
なん人かに声をかけ、企画が成功したり、失敗したり。
やがて北野武さんが来ました。
けっこう遠くに行ってから、
たけしさんは出川さんに気づいたようでした。
サッと手を挙げ、
ニヤリ。
それで終りかなぁと思って見ていたら、
たけしさん、
いつものようにちょっと照れるようにしながら出川さんの方へ、
ゆっくり歩いて来るではありませんか。
びっくり。
出川さんもびっくりしたよう。
「何やってんだお前」「仕事か?」
「がんばれよ」
うれしかったろうなぁ。
たけしさん、
よくぞ歩いて出川さんのところまで行ったなぁと思います。
サッと手を挙げ、
そのまま会場へ入ることも出来たはず。
それだってだれも悪く言わないと思います。
でも、
そうしなかった。
あのとき、
たけしさんは歩いて出川さんのところへ行く方を選びました。
いろんなことがあるでしょう。
しかし、
その後のことは分かりませんけれど、
その後のすべての時間と行いは、
出川さんのところへ歩く方を選んだことの上に載っかっていた
ことになります。
きょうのこのブログ、
もう一つ書こうかな、と思ったことがありましたが、
結局それをそうしないで、
こちらのことを書き、
この選択の上に
このあとの時間が積み上がっていく、
そう考えると、
おもしろいような、
不思議なような、
じぶんで選んだことなんだけど、
妙でもありまして。
きのうは、
保土ヶ谷駅ホームの自販機でリポビタンDを買わなかった。
それもまた一つの選択だなぁ。

 

・キヤンデーと友の笑ひや夏帽子  野衾