守宮

 

守宮と書いてヤモリ。または、家守、壁虎。
とりあえず守宮。
この守宮をきのうも見ました。
きのう「も」というのは、これまでけっこう目にしてきたからです。
ゴミ出しの日、
早朝、ゴミの入った袋をもってでると、外はまだうす暗く、
いまならひんやりしていて気持ちよい。
わたしは早起きなので、
集合住宅なのに、
ネットの組み立てはだいたいわたし。
住人の多くはまだ夢のなかかもしれません。
と、
いたいた。
わたしに見つかり、サワサワとあわてて網目を這い降り路上に。
それからコンクリートの縁をのぼって藪のなかへと。
守宮は夏の季語。
十月も半ばを過ぎ、旧暦でいったら、
もう冬に近づいているというのに、
この季節になってもまだゴミネットに張り付いている。
ゴミネットが好きなのか。
壁や天井にいたりもする守宮の習性から想像するに、
強い重力を感じて気持ちいいのか。
蜘蛛でもあるまいに、
ネットにいて、
餌となる虫が近づくのを待っているとも思えず。
わからん!

 

・爽秋の守宮うす暗き朝の黙  野衾