第一句集

 

句集を出すことになりました。
毎日このブログの最後に一句掲載していますが、
いつ始めたのかと思い、さかぼって検索してみたら、ほぼ十五年前でした。
はじめてつくった俳句が、

 

パナマ帽夕立ばちばち破れ笠

 

というもの。
夕立は「ゆうだち」ですが、
「ゆだち」とも読めますから、ここでは「ゆだち」と読んでいます。
実体験を句にし、五・七・五、
いちおう十七音にはなっていますけれど、
これには季語が、
ふたつならまだしも、
三つ入っています。
パナマ帽が、夏帽子の子季語あるいは傍題で、夏。
夕立が、夏。
破れ笠は、
素浪人が被っているような笠を連想して、
そうしたのですが、
破れ傘という、
山地の薄暗い林下に生えるキク科の多年草の名称で、
れっきとした夏の季語でした。
ああ。
こうして始まった「わたしの俳句」
でありました。
その後、
写真家の橋本照嵩さんと連日、ファックスをつかい、できた俳句を見せ合ったり、
ふたつの俳句結社に入っておられた金子か代さんに
添削してもらったり、
そういうことはありましたが、
とくに、結社に所属したり、
先生について習ったことはありません。
いわゆる無手勝流であります。
俳句の本は、
松尾芭蕉のものからはじめ、かなり読みました。
このごろは、
木曜日のプレバトと、日曜日のNHK俳句が、
わたしの先生です。
今まで出してきた本もそうですが、
小説が小説としてどうか、
エッセイが作品としてどうか、
俳句が俳句としてどんな出来栄えか、
それが気にならないことはないけれど、
本を出したわたし個人の切なる思いとしては、
それよりも、
「ことばって何?」
そのことが最大の関心事であります。
ソシュールの『一般言語学講義』に啓発され、研究を推し進め、
日本語の文法の本を書いた時枝誠記と、
気持の上では重なるところがあると感じます。
無手勝流とはいえ、
十五年間やってきましたから、
そうとうの数に上ります
が、
はじめの十年間ぐらいは、
我ながら、
人さまに見せられるようなものがきわめて少ないと感じられ、
なので、
主に、
この五年間につくった俳句のなかから、
三百八十句ほどを選び一書にまとめました。
Amazon等で、
すでに予約注文が始まっています。
コチラ
三百八十句のなかで、見られるものが何句かあればうれしいです。

 

・浴びるほど降りきて止まず蟬の声  野衾