セロニアス・モンク

 

このごろ毎日聴いているのが、セロニアス・モンクのThelonious himself。
きっかけは、
ふと。
そう言うしかありません。
二週間ほど前でしたか、CDの棚を眺めていて、
そうだ、近ごろ、セロニアス・モンクを聴いていなかったな、
と独り言ち、
棚から取り出したのが、
Thelonious himself。
モンクのジャズは、昔から、好みが分かれているようですが、
わたしの場合、これまでのところ、
好きでも嫌いでもなく、
へ~、こういうジャズもあるんですか、
みたいな。
それなのに、どうしたわけか、ヘビーローテーションで聴くようになるというのは、
じぶんのことではあるけれど、
不思議です。
どんな感じに聴こえるかといえば、
ひとことで言って、
小さな子供がひとり無心に遊んでいるような、
そんなイメージ。
ふと、ピアノの鍵盤に指を落としたら、きらきら音が光り始め、驚き、
光る音と戯れているうちに、
つい夢中になり、
かと思えば、
ふと、
訳もなく寂しくなって、
見えていた空の色まで俄かにかき曇り、
どこか行こうかな、でも、どこへ?
どこへでも。
このアルバムには「ふと」した現在、仏教でいうところの「而今」が詰まっているようです。
CDの宣伝文句に「闇」とありますが、
闇を感じることはありません。

 

・遠雷を合図に飛び立つ雀たち  野衾