中島みゆきの「時代」

 

テレビ朝日の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」
が好きで、
このごろ欠かさず見ていましたら、
先週土曜日かな、
「昭和大好き博士厳選!泣ける昭和の名曲ベスト20」
的なタイトルで、
2時間のスペシャル番組をやっていました。
「博士ちゃん」たちのコメントを聴いていると、
いかにも、
その歌にぞっこん惚れ込んでいることが伝わってきて、
とても気持ちよかった。
「好き」
にストレートなのがいいなぁ。
ベスト20の第5位が中島みゆきの「時代」。
わたしは子供のころから、
歌はどうやらメロディが優先されていた
らしく、
歌詞の意味を考えることをあまりしてこなかった気がします。
はい。
なんとなく、
けっこうデタラメに自作して口ずさんだり。
たとえば、
♪真綿色したシクラメン子の~
とか、
♪ワイングラスのかき氷~
とか。
この二つは、いずれも、小椋佳が作った歌ですが、
思い返せば、
ほかにも結構ありそう。
で、
中島みゆきの「時代」。
ドラマチックな始まりを印象付けられ、
途中の「まわるまわるよ時代はまわる」だけ歌詞を覚え、
そこだけ口ずさんでいたような。
ところが、
だんだん齢を重ねてきたせいか、
また、
勤めていた会社が突然倒産したり、人並みに病気をしたせいもあるでしょう、
ふと立ち止まるような具合で歌の意味を考えるようになりました。
「時代」はまさにそんな歌の筆頭。
いろいろあって、
二度と笑顔にはなれそうになくても、
あんな時代もあったねと話せるようになるから、
くよくよしないで、
今日は今日の風に吹かれましょう、
なるほどなぁ、
そうだなぁ、
ほんとうに。
ほんとうだ。
中島みゆきが世界歌謡祭でこの歌を歌う少し前に中島の父親が倒れたエピソードを、
「博士ちゃん」の一人が紹介していましたが、
知りませんでした。
だからどうということではありませんけれど、
中島みゆきがこの歌を歌う場合、
そのエピソードを重ねずに歌うことは難しいかもしれません。
つくった本人から離れ、
歌そのものが力を持つということを、
わたしは中島みゆきの「時代」に感じます。

 

・涅槃寺無心の子らの遊びかな  野衾