雪の富士と軽業師

 

二か月に一回の定期検診を終えて一八〇段
(一八一段だったかもしれません。登りはじめ最初の一段を忘れたかもしれず)
ある階段を登りおえ、遥かに北西を見やれば、
白々と輝く富士山が、澄み切った青空のもと荘厳なる姿を聳えさせています。
思わず、ほ~、と。
気分が変り、
今度は丘のてっぺんから階段を少し下って右へ下りると、
高い木の枝枝のあいだを何やら素早く動くものの影。
台湾栗鼠が二匹、追いかけっこだ。
入り組む枝をものともせず、
枝と枝の間をジャンプする姿は、
ジャンプというより、
空間に見えない枝がつながっているかのごとく、空中をすべっていく。
またまた、ほ~。
気分すっかり快晴快調。

 

・見送りの父母淡き肩に雪  野衾