ことばの経済効率

 

毎週木曜日のテレビは『プレバト!!』
と決めていますが、
「俳句の才能査定ランキング」の先生は、
夏井いつきさん。
夏井先生が割と口にすることばの一つに「経済効率」があります。
タレントの的場浩司さんが、

 

職質をするもされるも着膨れて

 

の句を披露したときにも「職質」をとらえ、
「経済効率がいい」と、
たしかおっしゃった。
「職質」ということばによって
「状況が全部立ち上がってくる」と。
ちなみに、
的場さんのこの句はその後、
石寒太さん編著の『歳時記』に掲載されたそうです。
さて夏井先生がおっしゃる
「経済効率のいいことば」
ですが、
俳句に限らずのことだなぁと感じます。
俳句は十七音ですから、
一つ一つのことばの持つ情報量と互いのひびき合いが肝心ですけれど、
これは、
わたしの仕事でいえば、
書名を考えるときに応用ができそうです。
目の前の原稿を精読、
エッセンスをよく理解し、解釈し、
編集の時をへて本が完成し読者に届いたときに、
書名から読み手が本のエッセンスを想像し、
そこに至るような、
ニュアンスのある単語をえらぶ。
このごろでいえば、
『日常の冒険 ホワイトヘッド、経験の宇宙へ』
がそうだったかな。
著者に気に入っていただければ、
言うことなし。

 

・五月雨竹林に盈つほてりかな  野衾