いのちの鈴

 

月曜日はだいたい『帰れマンデー見っけ隊!! 』を見ることが多く、
きのうもそうしていましたが、
このごろは、
コマーシャルの時間がやたらと長いので、
その時は、チャンネルを変えます。
ところが、
パチパチやっているうちに、
おもしろそうな番組にたどり着くこともありまして。
きのうがそうでした。
NHK・BS『国際共同制作 パーフェクトプラネット(4)「気象」』
がそれ。
気象の変化と同調するようにして、
さまざまな動物の美しい姿をとらえていました。
亀の大群とか、跳ねない蛙とか、かたまって筏のように川を下る蟻の群れとか、
つい見入ってしまい、
ふと、
昆虫が好きだった子どものころを思い出しました。
本を読まない子どもが、
ただ一冊、
子ども向けの『ファーブル昆虫記』だけは、
学校の図書室から借りて読んだ。
返してまた借りた。
当時は理由など考えもしませんでしたが、
いま思えば、
さびしい子どもでしたから、
昆虫などの小動物に、
裸で動いているいのちを感じ取ったのかもしれません。
裸のいのちは、
たとえていえば、
小さな鈴が鳴っているようでもあり、
いのちの鈴に耳を澄ませば、
さびしさがまぎれた。
強がりかもしれないけれど、
さびしさのおかげで、
いのちそのものに同調できた気がします。

 

・渓谷の空を見渡し落下かな  野衾