大きな計画をしない

 

もしプランニングで誤りを冒しているとすれば
――何が完璧かがわからない以上、現在の私たちはそうですが――
ゆるやかで、最小限に計画して、少し自由すぎるくらいに
その場その場で対応するほうが、
その逆よりもかえってよいのです。
経験から得たよい方法は、
必要以上に計画を大規模なものとしないことでしょうし、
絶対に必要以上のはるか将来を計画しないことです。
(ジェイン・ジェイコブズ[著]
サミュエル・ジップ+ネイサン・シュテリング[編]
宮崎洋司[訳]
『ジェイン・ジェイコブズ都市論集 都市の計画・経済論とその思想』
鹿島出版会、2018年、p.210)

 

都市の計画についての発言ですが、
会社経営についてもあてはまるところがあると感じます。
引用した箇所のまえでジェイコブズがいうように、
計画することは楽しく、
したがって、
大々的な計画を立てることは大きな魅力にもなり得ますが、
それがどうやら間違いのもと。
ジェイコブズと親交のあったドイツのプランナー・ルドルフ・ヒルブレヒト
の言葉も記憶にとどめておきたいと思います。
「すべてを決める必要はない。
我々は次の世代に何かを残しておかなければならない。
彼らにもアイディアがあるだろうからね」
(『同書』p.209)

 

・弟と土器を拾ひし春を待つ  野衾