動いた!

 

きのうの出勤時、
家を出て坂を下りて行くと、
下から髪の長い女性が近づいてきました。
山の上でもあり、
いつも人通りが少なく、
すれ違う人もだいたい近所の人が多いのに、
と、
つい、
彼女の服装に目が行きました。
赤と黒のジャンパーを身にまとい、
下は細い黒のジーンズ。
両手は、ジーンズのポケットに突っ込んだまま。
ジャンパーの胸のところから、
かわいらしい赤ちゃんの写真が覗いています。
この辺に引っ越して来たのかな?
かな?
ん!?
あ!
動いた!
写真と見えたのは、写真でなく、
ほんものの赤ちゃん!
赤ちゃんを、ほんもの、というのも変ですが、
まさか生きて動くとは思わなかった。
思わず、
ちょっと立ち止まったかもしれません。
女性がこちらを見たような気がしましたから。
いやぁ驚いたのなんの。
だって、
両手をズボンのポケットに突っ込んでいるんだもの。
でも、
あとから考えれば、
そのほうが、
じぶんも赤ちゃんも、むしろ暖かかったのかもしれません。
ああビックリした。

 

・そぞろなりこころは画伯冬木かな  野衾