不屈の快活さを身に纏う

 

クエンティン・スキナーの
『近代政治思想の基礎――ルネッサンス、宗教改革の時代』のつぎに、
さらに浩瀚な『レンブラントの目』を読んでいましたら、
その注に、
1999年3月にコロンビア大学トリリング・セミナーの「古代の笑い」講座で
クエンティン・スキナーが示した17世紀および古代の笑い論への謝辞
があり、
これだから、学術書の注は侮れないと思いました。
『レンブラントの目』の著者と
『近代政治思想の基礎』の著者が、
「笑い」に関する考察においてつながるとは。
レンブラントの晩年の絵に『自画像。デモクリトスとしての』
があります。
天才レンブラント晩年は、大きな借金をかかえ、
親しかった人たちが離れていき、
決して幸福とはいえないものでしたが、
それでも彼は挫けない。
レンブラントは、まさに、稀代の挫けぬ男
なのでした。
挫けぬこころ、挫けぬ快活さが肝要なことにおいては、
いまも共通のようです。

 

・ながむれば埃の揺るる冬日かな  野衾