グローブの臭い

 

いつも持ち歩いているカバンの底がほつれ加減になってきたので、
ただいま修理中。
そこで、
ウォーキングや山歩きの際に使っている革のリュック
を出してきて、
しばらくこちらを持ち歩くことにしました。
休日、
汚れを取り、
クリームを塗って革を磨いていたら、
ふっと、野球のグローブの臭いがにした。
同じ革ですから、さもありなん!
なんともなつかしく、
しばし呆然。
あれは、小学何年生だったでしょう、
はじめてちゃんとしたグローブを買ってもらいました。
想像していたよりも、けっこう重かった。
何度も臭いを嗅いだ気がします。
わたしは左投げ右打ちなので、
左用のグローブでした。
左用の、自分の、自分だけのグローブの臭い、
こころが弾んで、笑いがこみあげた。

 

・為残して宇宙の果ての嚏かな  野衾