こんな夢

 

川べりに小さな工場があって、わたしはそこで働いています。
昼の休憩時間になり、
土手の上を歩いているとき、
祖父が自転車に乗って遠くからやって来ます。
自転車をこぐ脚の両ひざが外に開いて、ひし形のように見えます。
キキッという音とともに自転車が停まりました。
歩きながら、
すこしだけ祖父と話しました。
最後に、
早く帰って来いよ。
うん。
祖父は勢いよく自転車に乗って、もと来た道を引きかえしていきます。
舗装されていない道をふらふらしながらこいでいましたが、
バス道路に入る手前で、
祖父は一度自転車から降りました。
しばらく自転車を押して歩き、
バス道路に上がったところでふたたび自転車に乗りました。
理由は分かりませんが、
わたしは、なんだか、
すこし後悔し始めていました。
午後の始業のベルが鳴っています。

 

・金風や狐も居たり遥かの野  野衾