トホホ…な想像力

 

電車に乗っていましたら、
ある広告が目に入りました。
そのなかの文言
「脇の下のつぎに多いのがvio脱毛」
正確ではありませんが
そのようなことが書かれてあり、
ごく簡単にひとふで書きの人体図まで添えられていました。
脇の下のところに「脇の下」
とあり、
いわれなくたって分かるわいと思った。
に対して、
vio。
なんだヴィオって!?
アイスクリームにそんな名前のがあったような…
それともヨーグルト…
それはともかく。
人体図の下半身のほうに「vio」と置かれているだけで、
どこを指しているのかが
イマイチ分からない。
それと。
脇の下が「脇の下」とはっきり日本語で書かれているのに、
vioはなぜか
日本語で示さずにアルファベット。
あやしい!
ハハァ。
あたしゃピンときましたね。
下半身で、
毛の多い場所といえば、
そこしかない。
きっとそうだ。
そうにちげえねえ!
そう確信したのですが、
なにゆえそこを脱毛しなければならないのか。
ふむ???
じぶんのそこが赤ん坊の股間のようになっている姿を想像した。
なんのために???
いくら考えても分からない。
わたしはここで
じぶんが大きな間違いを犯していることにまだ気づかなかった。
脇の下の脱毛といえば、
ぜんぶの毛をなくすわけでしょうから、
とうぜんvio脱毛も
ぜんぶの毛をなくすものと信じて疑わなかった。
家に帰りいそいそとパソコンを立ち上げ、
調べてみた。
ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝
そうか。
そうだったのか!
ぜんぶの毛をなくすのではなく、
水着のパンツからはみ出たところだけの処理であることが判明。
そりゃそうだよな。
じぶんの想像力の乏しさに呆れ、
老いを感ぜざるを得なかった。
いっとき情けない気分に浸りもしましたが、
梅雨晴れ間の空を見上げ、
希望をもって生きようと気持ちを新たにしたのでした。

 

・ひとも無し社(やしろ)の裏の蛇である  野衾