光る十円玉

 

・紅と黄と青とみな燃える冬

 

仕事帰り
桜木町駅の川村屋を見ると、
朝の「青汁売り切れました」の赤い紙に代わり
「青汁販売中」の緑の紙が。
(青汁といっても実際は緑色をしているので紙も緑なのでしょう)
さっそく店内に入り、
自動販売機で260円のチケットを購入すべく、
千円札を投入すると、
じゃらじゃら落ちたつり銭が
光っているではないか!
ん!?
手に取ってみると、
十円玉四個に平成二十九年の文字。
川村屋のおばさんに、
「おつりが、ほら」と言って見せると、
「あら。きれいだこと。なにかいいことあるかもね」
「そうかもね」
作りたてのコインが人の手から
人の手にわたって、
手垢であんなに黒くなるかと思ったら、
それもまた驚きで。

 

・青をもて澄みわたりゆく冬の空  野衾