靴修理

 

・鰯雲除慾殺怒の光り有り

ちょっと大げさですが、
這い這いから立ち上がり、
二足歩行をするようになってから
いったい靴を何足履きつぶしてきたでしょう。
百足には満たないと思うのですが。
けっこうな数だと思います。
子どものころは、
破けたり
サイズが合わなくなると
新しいものを買ってもらえるので、
古くなったものはとっとと捨て、
それをとくになんとも思いませんでしたが、
大人になってからは
捨てるのがもったいなくなりました。
が、
やっぱり捨てていました。
靴を修理して履くという発想が
そもそもありませんでした。
革が柔らかくなり、
やっと足になじんできて、
いい感じになったなぁと思ったのも束の間、
ひょいと裏返すや
靴底が激しくダメージを受け、
いかにもダメだろうと観念し諦め、
ゴミとして捨てることに。
それが何をきっかけに、
いつからだったのか
定かに思い出せないのですけれど、
このごろは
気に入った靴は
修理をして履くようにしています。
それをしてくれる店の看板をときどき目にします。
きのうは二足、
土踏まずを除き、
ソールを全部
張り替えてもらってきました。
一足四千五百円。
二足で九千円。
二足とも気に入っている靴なので、
大満足。
これでまたしばらくもつはず。

・天高く無物の風の吹き抜けり  野衾