愚かを知る

 

・連載の終りし夜や鍋料理

テレビを点けてやっていれば必ず見る番組
「開運!なんでも鑑定団」
きのう見ていたら、
退職金五百万円のうち、
四百万円をつぎ込み、
唐三彩の小壺をはじめ、
一点百万円のもの四点を購入した
初老の男性がスタジオに登場しました。
骨董歴二十年の総決算て。
五百万円の高級車を買うことも念頭にあったのに、
それは叶わず、
のこり百万円で軽トラックを買ったそう。
自身の見立てと感性には
絶対の自信があると言っていたのに、
その自信が
そもそもの間違いなのに、
身の程知らずもいいところ、
四点いずれもまがい物。
中島誠之助のつけた値段が、
四は四でも
四千円。
泣きっ面に蜂のごとき
「もっと勉強してください」のコメント。
ご本人、
貌を歪めて
「まじめに働きます」
事ほど左様に、
己を知ることは
ひたすら難しく、
昔からいわれています。
馬鹿は死んでも治らない。
四百万円の授業料を
高いとみるか安いとみるか。
毎回、
道徳の授業を見るようで。

・忘年会経て忘れられぬことぞあり  野衾