愚かを知る
・連載の終りし夜や鍋料理
テレビを点けてやっていれば必ず見る番組
「開運!なんでも鑑定団」
きのう見ていたら、
退職金五百万円のうち、
四百万円をつぎ込み、
唐三彩の小壺をはじめ、
一点百万円のもの四点を購入した
初老の男性がスタジオに登場しました。
骨董歴二十年の総決算て。
五百万円の高級車を買うことも念頭にあったのに、
それは叶わず、
のこり百万円で軽トラックを買ったそう。
自身の見立てと感性には
絶対の自信があると言っていたのに、
その自信が
そもそもの間違いなのに、
身の程知らずもいいところ、
四点いずれもまがい物。
中島誠之助のつけた値段が、
四は四でも
四千円。
泣きっ面に蜂のごとき
「もっと勉強してください」のコメント。
ご本人、
貌を歪めて
「まじめに働きます」
事ほど左様に、
己を知ることは
ひたすら難しく、
昔からいわれています。
馬鹿は死んでも治らない。
四百万円の授業料を
高いとみるか安いとみるか。
毎回、
道徳の授業を見るようで。
・忘年会経て忘れられぬことぞあり 野衾
自分も好きで、一時期は毎週録画して見ていました。しかし、なぜか録画するとあまり面白くない。理由はたぶん、CMを飛ばせてしまうから。
編集の妙と言いますか、大いなるマンネリの妙と言いますか。
「注目の鑑定結果はCMのあとー!」という気持たせのせりふとともに、何となくザッピングしながら、結果を待つという一連の流れが、なぜかあの番組だけはしっくりくる。不思議なものです。
しかし、400万が4千円になった心持ちはどうするのか。贋作を販売した売り手を訴えたりはしないのか。いつか、「その後」を見たいものです。ただマンネリを壊さぬため、それは別番組でやってほしいと思ってしまいます。
お! 自転車記者さんではありませんか。どうもどうも。
きょうの「自転車記者が行く」拝読。
「生涯最高の大魚は、決まりですね」の佐藤節炸裂に思わずにやり。
さて4点の合計400万円で購入した物が4千円の件ですが、
骨董商から求めたものではなく、
知り合いの骨董仲間から
手持ちの骨董品を処分したいとの連絡があり、
どれでも気に入ったものがあったら1点100万円でいいよと言われ、
4点、
自分の目を信じて選んだとのことでした。
骨董商からなら贋作をつかまされたということになるでしょうが、
骨董仲間というのがどうやらくせもので、
欲しいものがあればどうぞ、欲しくなければそれもよし、
ということですから、
訴えることは難しいかもしれません。
くだんの骨董仲間が贋作であることを知っていたかどうかが問題ですが、
もし知らなかったとしたら彼を責めるわけにもいかず、
難しいところです。
自転車記者は書いていてやはり楽しいです。
スポーツと街の人、これが自分の2大テーマです。
しかし、骨董の件、うわあ。
なんという…
しかも退職金…
ある意味では、それを包み隠さず放送しちゃうんだから、
あの番組はおそろしいですね。