わたしが子どもだったころ

 

ケストナーの『わたしが子どもだったころ』(高橋健二訳、岩波書店)
は、
1957年に出版された本。
1957年は昭和32年。
わたしはこの年の11月25日早朝に生まれました。
タイトルどおり
ケストナーが子どもだったころの思い出を
ケストナー自身がいつくしむように記しており、
ドイツの話なのに、
わがことのように切々と迫ってくるものがあります。
それにつけても思い出されるのは、
じぶんの子どもだったころの思い出。
さびしい「とじぇね」わらしでありましたが、
そうであればあるほど、
弟がいつもそばにいてくれたことは
わたしにとって
大いなる救いでありました。
同年齢の友だちもいたことはいたし、
かれらとも遊んだけれど、
弟抜きでということはほとんどなかった気がします。
弟とつれだって友だちとも遊んだ
というのが
実際のところだったと思います。
季節季節に弟と遊んだことが
つぎつぎとのうりをかけめぐり、
わたしの子どもじだいを彩ってくれます。

 

・ライオンのたてがみ洗ふひばり東風  野衾