トイレの蜘蛛2

 

自宅のトイレで見つけた蜘蛛について
先月この日記に記しましたが、
けさ起きてトイレに行くと、
いました。
奇妙な夢を見ていたせいで
頭がぼーっとしていた
のですが、
蜘蛛くんのおかげでスッキリシャッキリと。
それにしても、
この蜘蛛くんを見るといつも思うのは
いのちの不思議。
透明にちかいちっちゃなからだで
あいまいなところがこれっぽっちもなく、
これのどこにいのちが宿っているのか
と、
つい見てしまいます。
感情ってものはあるのか知らん?
いやいや、
その疑問はおそらく
こちらが勝手に蜘蛛くんにおっかぶせているだけで、
ただいのちそのままの蜘蛛くんにしてみれば、
不思議そうに眺めているこのわたし
の方こそちゃんちゃら可笑しい
のかもしれません。
だんだん親しみがわいてきます。

 

・十七の肩も凝るなり初日の出  野衾

 

シンクロニシティ

 

昨年読んだ本のなかで二番目におもしろかったのが
エレンベルガー『無意識の発見』(上・下)
ところできのう、
新しい本の打ち合わせのために静岡からN先生来社。
話の途中
おもむろに鞄の中から取り出したものがあり、
なにかと見れば、
な、なんと
『無意識の発見』
あ!!
いやぁ驚いたのなんの。
こういうことってあるんですね。
聞けば、
今回の原稿を書くために、
心理学、精神医学関係の書籍をリヤカー一台分くらいは購入し読まれたのだとか。
『無意識の発見』はそのうちの二冊。
送っていただいた原稿をまだザっとしか拝読していませんが、
熱量が感じられ
おもしろい本になること間違いなし!
の確信を得ました。
いい年の始まりです。

 

・三が日おだあげてをり酒祝(さかほが)ひ  野衾

 

2019年

 

いよいよ始まりました。
仕事始めの日は例年、
すぐとなりにある伊勢山皇大神宮に全員で出向きお祓いをしてもらい、
それから、
いただいた賀状に目を通しながら、
ご縁のある方々の近況を思い浮かべます。
原稿書きに余念のないひと、
七十を過ぎて新しい外国語を習得せんと精進しているひと、
定年後に夫婦で外国旅行を楽しんでいるひと、
いろいろです。
ご縁の輪はますますひろがっていきます。

 

・初市の樽を出でたる酢蛸かな  野衾

 

しにゃぐにゃ

 

八十七歳になった父は
年齢にふさわしく入れ歯を装着しています
が、
好物は変わらずで、
イカタコが食卓に上がれば、
つい箸がのびるようです。
イカやタコばかりではありませんが、
とくにイカやタコを
口に入れて噛んだとき、
くにゃくにゃして噛み切れず
噛んでも噛んでもなかなか嚥下できないことを称し、
秋田では「しにゃ」といいます。
しらべてはいませんが、
おそらく、
「弾力があって、しなやかにたわむ。しなる」(広辞苑)
の意の「撓う(しなう)」
から来ているのではないか
と思われます。
ところで今回、
弟が案内してくれたスーパーマーケットで購入した酢蛸は、
酢の具合もほどよく、
また二、三回噛んだだけでスッと噛み切れる
クオリティの高い蛸
でありました。
父もおいしそうに食べていました。
弾力があってしなやかにたわむことが「しにゃ」
「ぐ」は接続助詞の「~では」
かな?
「にゃ」は否定の意の「ない」
したがいまして
今回の酢蛸は「しにゃぐにゃ」
弾力がありすぎて噛み切れないものではない
という意味になります。
と、
さてきょうは仕事始め。
適度に弾力を保ち、
必要に応じて潔い謙虚さを忘れぬ仕事をしたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

・壺を出て初市に蛸来りけり  野衾

 

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