カレンダー

 

毎年この時期になりますと、
会社でも家でもいくつかカレンダーを用意します。
つきあいのある業者からいただく
ものもあります。
ことし家では
大石清美さんが描いた
『ごじょうめのわらしだ』のカレンダーでした。
大石さんは、
秋田県五城目町に在住の方で、
町の広報誌に
「なつかしのごじょうめのわらしだ」
を連載されています。
五城目町は、
わたしの生まれ故郷のとなり町。
秋田魁新報に大石さんが取り上げられ、
その記事のなかでカレンダーをつくったことが記されてあり、
文末にあった番号にすぐに電話し、
一部購入したのでした。
電話に出てくださったのがおそらく
大石さんだったと思います。
おかげさまで、
ことし一年(まだ終わっていませんが)
ふるさとの子どもの頃を
なつかしく思い出しながら過ごすことができました。

 

・程ヶ谷の谿の向かひの寒夕焼  野衾

 

他人事でない

 

病院の待合室でのこと。
ゆっくりと滑舌のいい大声が聞こえてきました。
ゆっくりと、滑舌がいいので、
遠くにいるわたしのところまではっきりと
聞こえてくるのです。
「ど・う・に・か・な・ら・な・い・も・の・か・ね・え。
い・つ・ま・で・ま・た・せ・る・つ・も・り・か・ね・え。
い・み・が・あ・る・の・か。
あ・あ・い・た・い・い・た・い。
こ・し・が・い・た・い。
ど・う・し・た・ら・い・い・ん・だ・ろ・う。
びょ・う・い・ん・に・き・て・も・こ・う・か・が・な・い・か・ら
ク・ス・リ・だ・け・も・ら・っ・て
か・え・る・わ・け・に・は・い・か・な・い・の・か・・・」
一音一音はっきりとした
途切れ途切れのことばを聞いているうちに、
そのつぶやきともうったえともつかない
こころの叫びが、
抜き差しならないものとして迫ってきます。
あ・あ・い・た・い、は
「ああ痛い」でしょうけれど、
「会いたい会いたい」とも聞こえます。
ど・う・に・か・な・ら・な・い・も・の・か・ね・え。
ど・う・に・か・な・ら・な・い・も・の・か。

 

・禿(かむろ)上ぐ汽笛ここまで冬の空  野衾

 

橘始黄

 

柑橘類の「橘」に「始」に「黄」
たちばなはじめてきばむ。
七十二候では
二日の日曜日から明日までが
第六十候の橘始黄。
今週はじめの日曜日に程ヶ谷の旧跡めぐりを楽しみましたが、
家々の軒先に
たわわに実った柑橘類が下がっていました。
異常気象といわれる日が多くあっても、
巨いなる自然のサイクルは
ちゃんと働いているようです。

 

・留学を期し頬染む冬の説明会  野衾

 

う〇ちパーティ

 

先週帰宅途中のことです。
帷子珈琲店でいつものように二種類の豆を購入し、
けむりもくもく焼き鳥屋横の踏切を
わたってまもなく、
「う〇ちパーティしよう!!」と
でかい声。
「ばかなこと言ってんじゃないの!」
見れば、
小さな男の子と母親らしき女性の姿。
ただそれだけの会話でしたが、
以来、
う〇ちパーティの語が頭から離れません。
う〇ちパーティって何?
いろいろ混沌としたイメージが湧いてきます。
あの男の子はう〇ちパーティをしたことがあるんだろうか?
そのときお母さんはそばにいたのだろうか?
お母さんが叱ったのは、
う〇ちパーティそれ自体ではなく、
外で口にするなということだったかもしれず。
ネットで調べてみると、
う〇ちパーティ用のグッズが売られており、
「うんちのうた」「うんとでろうんち」なる歌もありました。
うんこドリルのヒット以来、
うんこ、う〇ちはそうとう市民権を得たようです。
ああスッキリした!

 

・浪寄する過客や冬の伊良湖崎  野衾

 

程ヶ谷ウォーク

 

近所のまるちゃんに誘われ、
家人と三人で
程ヶ谷宿ゆかりの旧跡を散策。
とちゅうぽつぽつ雨が落ちてきましたが、
本降りになることなく
なんとかもってくれました。
休日のためか
境木商店街はシャッターを下ろしている店がほとんど。
ゆうめいな境木地蔵の大銀杏を見上げ、
そこから
神奈川県立光陵高等学校を横に見、
権太坂をてくてくと。
おっ、
ここが本来の権太坂かぁ。
箱根駅伝ではかならず呼称される権太坂、
ただしくは
旧東海道の急こう配の坂の名称。
国道一号線は近くを通っているので、
その坂をも権太坂
と称しているようです。
さて目的地の千成鮨さんへ。
熱いお茶とにぎりを頬張り程ヶ谷ウォークの終了となりました。

 

・神島をめぐり寒夜の漁り舟  野衾