虫笑う?

 

虫がなく、の「なく」は鳴く。
人がなくのは「泣く」で、まあ、「鳴く」ことはない。
漢字で書くとそうなりますが、
音では両方とも「なく」
これは虫の声に勝手に人が「泣く」のイメージを重ねたからではないか。
それなら「泣く」でいいようなものだが、
「泣」の字はあまりに牽強付会に思え、
それで「鳴」の字をあてたのでは…。
なんてことを、ふと。
そう思ったのは、
休日虫の声が聴こえてきたとき、
(「虫の声」は秋の季語ですが、秋でなくても虫の声は聴ける)
あれ、
なんだか、
笑っているみたい、
と思えたから。
虫はひょっとしたら、鳴かずに笑っているのでは…。
そう考えたら、
なんだか楽しくなってきた。

 

・夏を避け馴染みの暗き珈琲店  野衾