朝ごとに新し

 

きょうにつながったきのうがたしかにあり、
うたがいなく
明日につながるきょう
のはずなのに、
悲しみや苦しみの果て、
世も自分もぐらつきはじめ、
そのことに確信が持てなくなる日があります。
カール・バルトの『福音主義神学入門』(加藤常昭 訳)の第10章
「孤独」
にある言葉が
目に留まりました。
自分の信仰の孤独を持ちこたえ、
耐え忍ぶことの重要性。
「信仰へと解放された人間たちだからと言っても、
もしそこで信仰ノ知解が問われる場合には、
そこでただひとつの可能な方法を自分のものにするために、多くの人が用意あり、
その能力があるというようなことがどうしてありうるであろうか――
唯一の方法とは、
それに必要な一八〇度の転回を
(一度だけでなしに朝ごとに新しく)
敢行するということであり、
したがって人間の側からでなく、
人間に語られた神の言葉の側から問い、答えるということ」
一度だけでなしに
朝ごとに新しく。
バルトのいわば日用常行。
中公新書のベストセラー、ロングセラー『世界の名著』
には、
思想家・宗教家・社会運動家45人の45冊
が取り上げられ、
解説が加えられていますが、
そのなかの一冊が
カール・バルト『福音主義神学入門』
解説は滝沢克己。

 

・午後三時黒き弾丸燕かな  野衾