中途半端の味

 

本の増殖いかんともしがたく、
本棚に二重三重に本が置かれるようになると、
アップアップし、
探すのにひと苦労、
いや、
ふた苦労。
いつしか汗だくに。
ではありますが、
負け惜しみの言と知りつつ言わせてもらえば、
中途半端を嫌い
あまり整頓しすぎると、
読んでいないのに
なんとなくひと仕事終えた気がしてき、
やれやれ、
コーヒーでも飲むか、
なんて。
やがてすっかり本の存在すら忘れてしまいかねません。
なので、
適度な整頓は大事だけれど、
中途半端も味と知り
ほどほどな乱れも肝要なようで、
やりすぎはやはりよくない。
敬愛する精神科医の中井久夫さんの本に、
本は一気に読んではいけない、
なぜならすぐに忘れてしまうから…。
たしかに!
整頓についても、
同じことがいえそうです。
ちなみに、
「整理」が不要なものを捨て、
要るものだけを残す意を含むのに対し、
「整頓」は、
必要なものを使い勝手が良いようにならべ片付ける意
であるとか。
つまり整頓の前に整理あり。
記号で示すと整理⇒整頓。
とは言い条、
整理と整頓、
どっちもむずかしいんだなぁ。

 

・夏の陽や看板歪む隷書文字  野衾