・武士(もののふ)の行き交う道や秋閑か
月に一度、
鎌倉の大佛茶廊にて
「さろう句会」を行っていますが、
涼しい季節になりましたから、
先週土曜日、
金沢文庫から能見台をへて金沢自然公園まで歩きました。
当日はあいにくの雨。
それでも参加者七名。
傘を差しながら、
足下の悪い山道を一時間半ほど。
自然公園に到着するころには、
空も心なしか明るくなり。
公園内には立派な建物があり、
無料休憩所での昼食後、
一時間かけての句作。
各自二句投句、
A4判の用紙に
投句された十四句を清書した後、
13時46分発のバスに乗り金沢文庫駅まで。
一時間半かけて歩いたのに、
コースが違うとはいえ、
十五分ほどで駅に着く。
駅周辺の瀟洒なカフェにて
句会とあいなりました。
きょうの肉、
いや二句はその時のものです。
写真は、
メンバーのひとり和いんさんが
撮ってくれたもの。
・雨浴びて光住みたる秋の草 野衾
・秋晴れやさてと何して遊ぼうか
武家屋敷が電話をしておりました。
いきなり
「武家屋敷が電話をしておりました」
といっても、
このごろこの日記に登場していませんから、
なんのこっちゃ
と思われる方もあるでしょう。
武家屋敷とは、
わが社の山岸でありまして、
武家屋敷は、
わたしが彼女につけたニックネーム。
そのこころまで話していると
長くなりますから、
それについてはまた今度。
前置きが長くなりました。
さて、
武家屋敷が電話をしておりました。
武家屋敷らしく、
しっとりとおとなしく、
しかし毅然たる態度で受け答え、
内容までは分かりませんでしたが、
新しい仕事について、
方向が決まったようなのでした。
おもむろに自分の席を立ち上がった専務イシバシ、
すーっと武家屋敷の元へ。
「いま興味深い話が聞こえてきたけど…」
わたしのすぐ横で発せられたことばでしたから、
間髪入れずに大笑い。
「興味深い話って…。アハハハハ。評論家じゃなんだから」
イシバシ本人も、
すぐ自分の発したことばの可笑しさに気づいたらしく、
アハハハハ…。
理由を尋ねたところ、
「興味深い」をちょっと
使ってみようと思ったのだとか。
・校正を終えて目を上ぐ秋の夕 野衾
・秋暑し急ぎ厚手の衣脱ぐ
正直に申し上げます。
わたしは出川哲朗があまり好きではありませんでした。
というか、
どちらかといえば、
嫌いなタレントの部類に入っていた
と思います。
口ではたいそうなことを
言うけれど、
実際やってみるとまったくダメ。
なんだよ、
と。
いつからでしょうか。
出川さん(ここから「さん」付け)
がテレビに出ていると、
なんとなく終りまで見てしまい、
このひと、
性格いいんだろうなぁ、
ひとにやさしく、
やわらかく気づかいするなぁ、
で、
ほのぼのした気分になっている自分に気づくのでした。
まるで『男はつらいよ』の
寅さんのやさしさに触れたよう。
出川さんが変わったとは
思えませんから、
こちらの見方が変わったのでしょう。
いまは、
『ブラタモリ』より
『モヤモヤさまぁ~ず2』より
『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』
がいちばんおもしろく、
心待ちしている状態です。
・天高し烏の声の響きけり 野衾