日に日に

 

・かりがねの空に道あり見えねども

 

台風もありましたが、
一雨ごとに少しずつ寒くなってきました。
十月も今日で終わり。
寒暖の差が激しく、
着るものに困ります。
ホッカイロをつかうにはまだ早い。
ヒートテックは
熱くなると急激に熱くなる。
ストール、ジレ、ライトダウン、
小物で調節するしかないようです。
きのう、
ユニクロの襟なしウルトラライトダウンを
初めて着用、
軽くて暖かく超快適でした。
ハンカチほどの重さしかないんじゃないの
と思うぐらい、
身に着けていることをつい
忘れてしまいます。
値段もお手ごろ。

 

・雁来る灰色の空宿の空  野衾

 

すごい天気

 

・少年の吾が見し月をけふ見たり

 

荒れに荒れた台風が過ぎ、
朝からいい天気になりました。
すこし寒いわけですが、
窓を開け放ち、
思いっきり息を吐き、
思いっきり息を吸い、
また吐きます。
一日がんばろうという気になります。
さて一日、なにがんばろう?

 

・鍼灸院間仕切りゆかし柿の声  野衾

 

学生食堂

 

・秋深し学食カレーライスかな

 

学生食堂、略して学食。
なつかしや!
横浜国大での打ち合わせの折、
早く着いたので、
学生に交じり
久しぶりに学食にて食事とあいなりました。
400人は優に入れると思しき食堂が
ほぼ満員。
わたしはカツカレー+みそ汁
=490円。
男子留学生らしき青い目の三人、
たどたどしい日本語を話しています。
かわいい手作りの弁当を食べている学生。
食事より会話に夢中の
タンメンを少しずつほおばる
細身の女子学生。
どう見ても学生じゃない、
こちらは先生だろうか?
わいわいがやがや実ににぎやか。
時代は変わっても、
学食の雰囲気はあまり変わらないようです。
片付けのコーナーも、
礼儀正しく、
整然と事が運ばれ、
すがすがしい気分に浸りました。

 

・降り止みて光生まるる露の群れ  野衾

 

あしゃしゃしゃしゃす

 

・秋雨や建設機械の動きをり

 

横浜国大での打ち合わせが終り、
バスに乗車。
今後の段取りなどを考えながら外を眺めていると、
「あしゃしゃしゃしゃす」
のんびりまったりと。
あまり気にせず、
そぼ降る雨に濡れた街の景…
「あしゃしゃしゃしゃす」
またも。
気になり始め、
前の方を見ると、
バックミラーに運転手の姿が映っています。
口にマスク。
風邪をひいているのかな?
予防かな?
停車場にバスが停まり、
三人が降りていきました。
ドアが閉まって、
「あしゃしゃしゃしゃす」
あ!
分かった。
あしゃしゃしゃしゃすと聞こえていたのは、
あしゃしゃしゃしゃすではなく、
はい、発車します、
でした。
そう思って聞くと、
はい、発車します。
でも、
あしゃしゃしゃしゃす、
と思って聞けば、
あしゃしゃしゃしゃす。

 

・停車場の列を縮める秋しぐれ  野衾

 

ヒモ絡む

 

・台風過青やますます濃くなりぬ

 

メガネストラップをつかうようになって、
電車内での読書が
快適になりました。
ドア近くの
なるべく人の少ない場所に立ち、
メガネを外し
首にぶら下げます。
文庫本を取り出し、
栞のオモテがわのページ、
段落の初めから読み始めます。
(段落の切れ目がないときは、
前回終ったところに爪でしるしを付けているので大丈夫!)
快適快調。
と、
そばで咳する声のあり。
見れば口にマスクをしていない。
目立たぬよう
急ぎポケットから
マイマスクを取り出し風邪菌防御。
やがて目的地に着き、
ドアが開いてホームに立つ。
マスクを外しメガネをかけようとするも、
マスクのヒモとメガネのヒモが
こんがらがって、
どれがどれやらわからない。
そんなこともあるきょうこの頃であります。

 

・ふりそそぐひかり漏らさぬ薄かな  野衾

 

眠れぬ夜は

 

・いろはなし雑木紅葉のちりぬるを

 

夜中目が覚め、
なにということもなく
スッとふたたび眠ることもあれば、
なかなか寝付けずに、
あっちにごろり
こっちにごろり
したりすることも。
そういうときは、
おとなしくして昔むかしのことを思い出します。
いろいろいろいろ。
しているうちに、
過去のなつかしくも厳しい
現実を飛び越え、
ありえない球速180キロの
ピッチャーになったり、
アンパンマンのような
スーパーヒーローになってもみたり。
画用紙も要らないし、
話す相手も要りません。
そんな夢物語を勝手デタラメに描いているうちに、
いつの間にか、
夢の世界に舞い戻っていくようです。

 

・桃尻の馬に揺られてぼくぼくと  野衾

 

語の浸透

 

・霧しぐれ分け入る山の深さかな

 

ことばを知って使い始めても、
初めはなかなかしっくりきません。
しかし使い使い
しているうちに、
枝葉がとれ
幹がだんだん太くなるように、
自分のからだと心になじんできて、
しみじみ、
その語しかないと思えるような瞬間がやって来ます。
俳句の季語はもちろん、
ごく一般的なことばでも、
身に着ける服に似て、
ことばに浸透し、
ことばが浸透してくる時間を
大切にしたいと思います。

 

・山路来て荷を下ろしけり秋桜  野衾

 

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