夏風邪 3

 

・新涼を息ととのへて吸ひにけり

 

きのうは整体の日。
鵠沼海岸まで電車を乗り継ぎえっちらおっちら。
駅から目的の家まで徒歩十五分のところ、
からだが重く、
途中、
「どなたでもご自由にお休みください」
と記されたベンチがあったので、
どっこいしょ。
十分ほど休憩してからベンチを離れ、
またとぼとぼ歩いて、
ようやく到着。
ネルとジャスがお出迎え。
下だけ着替えてすぐに施術。
気持ちよくなり、
自分のいびきで目を覚ますこと二回。
どうもどうも。
「それではうつ伏せになってください」
「はい」
ベッドの顔の当たる部分に
穴が開いており。
マッサージしてもらっているうちに、
「あのあの、は、は、鼻汁が…」
「はいどうぞ!」
「どうもどうも」
ティッシュで思いっ切り洟をかみ。
いや、あぶなく鼻汁を床に垂らすところでした。
夏風邪はまだ完治していないようです。

 

・光来て音に耳行く秋の海  野衾