魚眼レンズ

 

・蟬を過ぎまた蟬を過ぎ蟬の声

 

いつも子どもたちでにぎわっているグラウンドが、
夏休みを迎え、
人っ子一人いません。
りなぴは今日からインターンシップか。
がんばれよ。
グラウンド横の
少し高いところにある階段から眺めているせいか、
平らなはずのグラウンドが、
まるで地球表面のように、
真ん中が盛り上がり、
端に行くにつれ低くなっているような、
おそらく錯覚なのでしょう、
寂しさを
魚眼レンズで覗いたような、
そんなふうにも見えます。
魚眼、
魚のまなこ、
秋田ならまなぐ、
夏は静かに魚の目は涙。

 

・盛り上がる子ら無き夏のグラウンド  野衾