朝の電話

 

・コーヒーを淹れて楽しも夏の朝

 

父が入院して以来、
母は古い農家の建物で独り暮らし。
とじぇねがり、寂しがり屋の本家ですから、
毎朝ごきげんうかがいの電話を入れます。
きょうのてんきは なとだー?
ちゃんと ねだがー?
とうさんがら でんわ あったがー?
きょうは なにするの?
……………
おそらく一分とかからないでしょう。
齢を重ね、いよいよ少女に帰っていく母です。
父の退院はもう間近。

 

・夏の朝烏の声の遠くあり  野衾