・祖父の膝つんつるてんの端居かな
昼、すぐ近くの定食屋で食事。
ブリの煮つけ、
豚肉の野菜炒め、
シラスとほうれん草の小鉢、
みそ汁、
ごはん、
漬物、
サクランボ。
よく噛んで食べていたところ、
わたしより遅く入ってきた客が
勘定を済ませ、
つぎつぎに帰っていきます。
まあいいさ。
わたしはわたし、
ひとはひと。
と、
「あのー、ベビーカーも入っていいでしょうか?」
「え。あぁ。どうぞどうぞ」
と店のマスター。
「ありがとうございます」
すると、
つぎつぎに、
幌を掛けたベビーカー四台が店の中に乱入、
いや、進入。
若いママさん四人、ベビーが四人、計八人。
店の一角を占拠。
わたしの食事もどうやら終わりをつげ、
腰を上げ勘定を払おうとすると、
マスターが小声で、
「西部劇にでてくる幌馬車部隊を連想するね」
「アハハハ… たしかに。ごちそうさまでした」
西部劇か、
しばらく見てないな。
・退院の忘れ物なし夏の空 野衾
・夏の夜や側の寝息を聞いてをり
昼の食事は外で摂りますが、
いくら美味しくても
だんだん飽きてきますから、
新しい店を見つけようとの努力は日々怠りません。
が、
週のローテーションに加えたい
と思う店は
なかなか見つかりません。
野毛に中華料理の店がオープンしたので、
入ってみることに。
イシバシ、チャーハン。
わたし、サンマーメン。
餃子は二人で一つ、皿二つ。
食べ始めは悪くなく。
半分の量を過ぎたころから
口の中に残る油が気になってきました。
食べ始めが美味しい店は
結構あれど、
食べ終えたときに美味しかった
となる店は、
そうそう多くありません。
この店、
若いひと向けにはいいかもしれず、
若くないわたしには
どうやら不向きのようです。
・荒梅雨や行きてひかりの氾濫す 野衾
・肩の凝り残して行きし走り梅雨
自宅の近くに若い夫婦が住んでおり、
子どもが二人。
おねえちゃんとおとうと。
おとうとは二歳ぐらいでしょうか。
まん丸い顔に、
まん丸い小っちゃい目が二つ。
大きな〇に小さな〇…
だまっていても、
目があえば、
なんとなく笑ってしまいます。
昨日のことです。
家の前でママとおねえちゃんとおとうと。
わたしを見て、
まん丸が「こんにちは」
あわてて、
「こんにちは」
目はさらにくりっくりのまん丸に。
じっとこちらを見ているので、
「バイバイ」
するとまん丸目が、
「バイバイ」
と。
いい気分になって大股で歩き始めるや、
「こんにちは」
!?
こんにちはが追いかけてきました。
そうか。
覚えたてか。
こんにちは、と言えば、こんにちは。
そう返してもらえるのがうれしくて、
何度でもこんにちは…。
はい。
こんにちは。
・荒梅雨や玄関先のデッキシューズ 野衾