祖父の夏

 

・池の鯉静まりをりぬ端居かな

 

大好きだったトモジーは、
夏になると、
ステテコとさらさらのシャツ姿で端居しておりました。
団扇を手に持ち。
するうち、
ごろり横になっては脚を組み、
団扇で蠅を払いやがて眠くなるものと見え、
団扇を顔にかざしたまま
動かなくなります。
(じーさん。じーさん。じーさん)
あまり動かないと、
心配になってそばまで行って確かめたり…。
目が覚めればいつものトモジーで。
ふ~。
夜になれば花火がドンッ!

 

・膝小僧つるり寂しげ端居かな  野衾