火曜日

 

・梅雨の日をひねもす本とごろ寝かな

 

週の二日目、
11時45分に必ずやってきて、
二人掛けの小さな四角いテーブルの片側に座ります。
ステッキをそばに置き、
帽子は女将さんに預けます。
瓶ビールを一本。
つまみはその日の気分で適当に。
ほどなくもう一人の老人。
背が高い。
テーブルの向かいに陣取り、
こちらはだいたいカツ丼を所望。
将棋の天才少年の話などは一切せず、
かならず野球の話。
わたしは黙って
海苔せいろ+玉子丼ごはん少なめ。

 

・梅雨は梅雨逸るこころを押しとどむ  野衾