・行く春の湘南とろりとろりかな
後藤夜半に、
滝の上に水現れて落ちにけり
という有名な句があります。
いい句は、すぐにおぼえて忘れません。
滝の上に水が現れて落ちるのは当たり前だのクラッカー、
ですが、
水の落ち来る勢いが夏の景色とあいまって、
こちらの身にまで及び、
ひろやかな気分に浸ることができます。
小説家の吉屋信子がこの句を評し、
水が落ちると
俳句になるかもしれないが、
小説にはならない、
人が落ちてくれなくては困る、
てなことをのたまったとか。
阿波野青畝のエッセイにでていたエピソード。
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明日の「よもやま日記」は都合によりお休みします。
・ふるさとの祖父の居場所や目借り時 野衾