人生二度なし

 

・梅を見る階段下の古家かな

新井奥邃に私淑していたひとに
哲学者の森信三がいますが、
かれのことばに、
「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。
しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」
があります。
若いときは、
そんなことあるかいな、
運命のひとと出会っているとはとうてい思えん
などと不遜な考えでいましたが、
齢を重ねるたび、
いやいや、
そういうことはあるかもしれない、
人生は、
そんなふうになっていると
自然と思えるようになってきました。
『人生二度なし』は森信三の著書。

・梅咲いてしばしの息や深くなる  野衾