新しさ

 

・台風過江ノ島牙を隠しをり

山口誓子の『誓子俳話』(昭和47)を読んでいたところ、
この本は、
新聞や雑誌に発表された短文
を集めたもので、
言いたいことをずばり語っているせいか、
わかりやすく面白いのですが、
誓子先生、
この本の中で
自分は有季定型でいく
ということを各所で強調しています。
尾崎放哉の
「わがからだ焚火にうらおもてあぶる」
を、
自分なら
句をゆさぶって、
「わがからだ焚火にあぶるうらおもて」
とすると。
そして、
こうも言い放ちます。
「ただ新しいのが新しいのではありません。
古くて新しいのが本当に新しいのです。」

・喧嘩してほらこれやるよ青蜜柑  野衾