BGMの蟬

 

・休日の四時を過ぎたり端居かな

お、今日が鳴き始めか、
と思ったのも
束の間、
このごろは、
ふと立ち止まって、
蟬くんどうした? と意識して初めて、
ああ鳴いてる鳴いてる
と。
いつの間にやら
一つの環境になっているのでした。
こういうことって少なくないかもしれません。
中原中也の詩「羊の歌」

こんなくだりがありました。

それよ、私は私が感じ得なかつたことのために、
罰されて、死は来たるものと思ふゆゑ。

あゝ、その時私の仰向かんことを!
せめてその時、私も、すべてを感ずる者であらんことを!

・瓜かじり飛び散る汁や鼻の下  野衾