こんな日は三波春夫

 

・坂上より佳きひと来り更衣

セコい東京都知事のニュースが、
呆れから笑いへ転化したきょうこのごろ、
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
えーーっ、
またーー!!
というような反応は
はや通り越し、
今はただ苦笑あるのみ。
この変化をみずからに顧み、
日々の校正の仕事もそうであるなあと。
むかしは
ぶつぶつ不平を漏らしながら朱を入れたものでしたが、
いつのころからか、
そんな声も聞かれなくなり、
黙々とこころの内に怒りを発しつつ、
おもては坦々と
お蚕さんが桑の葉を食むようにページをこなすようになりました。
成長したのか、
老化したのか、
きっと老化したのでしょう。
疲れはますますひどくなり、
こないだ左の膝株をしこたま机の角にぶつけ、
危うく皿を割るところでした。
やれやれ。
あー痛かった!
それほどに、
文章のねじれを直すのは疲れます。
こんな日は、
三波春夫でございます。
家に帰って冷蔵庫から缶ビールをだし、
CDプレーヤーに
三波春夫のベストアルバムをセッティング。
うん、
これでよしと。
ちゃら~~ん! こんぺーでーす!
ではなく、
三波春夫です。
サク、サク、サク、サク、サク、サクー、
せんせー、
おうっ、蕎麦屋かああ、
ビール旨いなあ。

・気にかかる短き袖や更衣  野衾