Archives : 5月, 2016

高島屋に行こう!

 

・語らねどホテルの横の七変化

コーヒーの豆が切れましたので、
仕事帰り、
いつも買う帷子珈琲店に寄ろうと思ったのですが、
なんとなく勘がはたらき
ホームページを見ましたら、
きのうは臨時休業。
というわけで横浜駅で下り、高島屋へ。
ひろびろしていて
ゆっくり歩くことができ、
店員さんは、
訊かなければだまってにこにこと、
訊けばていねいに教えてくれ、
いつ行っても気持ちよい。
お年寄りが多いのもうなずけます。

・紫陽花の土を験して咲きにけり  野衾

連句的

 

・トンネルを抜けて濃くなる緑かな

連句のことを思っている今日このごろでありますが、
細かいルールは、
そのうちだんだん覚えるでしょう
ぐらいな気持ちで、
いちばん気に入ったのは、
滞ってはダメ! ということ。
あいだに一句置いた二つの句の関係を
「打越し(うちこし)」
というそうですが、
打越しからできるだけ「転ずる」ことが
連句では求められるようです。
新しい世界を切り開くことが大事であると、
深沢眞二先生もおっしゃっています。
苦しいこと、
つらいことから脱けでて新しい地平へ、
ということはもちろん難しいですが、
心地よい快の時空から脱けでることもまた難しく。
まさに人生そのもの。

・捨てられぬものをながめて五月かな  野衾

付かず離れず

 

・青葉木菟驚ゐている貌であり

鈴木漠さんの『連句茶話』を読んだことをきっかけに、
ただいま
深沢眞二さんの『連句の教室』
を読んでいますが、
これがまたとても分かりやすく面白い!
深沢さんは、
和光大学で実際に
学生たちと連句をつくっておられる方。
臨場感たっぷりな報告がなされ、
ページを追うごとに
ゆっくりだんだんと連句の世界にひかれていきます。
「ゆっくりだんだんと」
はとても重要。
こんなにめんどくさいルール(=式目)

覚えなくちゃならないんだったら、
俺なんかとてもとても、
となっちゃいますから。
それについて
深沢さんはこう書いています。
「連句にはちょっとややこしいルールがありますが、それは
豊かな想像力を導くために過去の作者たちがあみだした経験則」
そうなのか。
最初からあったものじゃなく、
時間とともに
だんだんとできてきたもの、
豊かな想像力を導くために…。
だとすれば、
急いで覚える必要はないのかもしれません。
実際すぐには覚えられないし。
紙上の学生さんたちに交じってぼちぼちと。
『連句の教室』のサブタイトルは、
「ことばを付けて遊ぶ」
ひともことばもポツンポツンで、
土筆みたいになってしまっている現代ですから、
ひとに寄ってみる沿うてみるのに、
連句はいいかもしれません。

・力なきあぶく破れて湯に一人  野衾

俳は歪

 

・知らず知らずここまで来たる薄暑かな

幸田露伴の『評釈 芭蕉七部集 冬の日』を読んでいましたら、
俳句の俳は歪につながる
とありまして、
歪は歪曲の歪だなあ、
てことで、
思い出したのが『連句茶話』
著者の鈴木漠さんが「古い毛や」
もとい、
「古池や」の句について、
目から鱗の記述をされていたからです。
「古い毛や」
もとい
「古池や」(しつこい!)
といえば、
いわずと知れた松尾芭蕉の有名な句でありますが、
かわずは古池に飛び込んだか
飛び込まなかったか、
なんて
いろいろ解釈がありそう、
いや、
ありまして、
わたしも何冊か読みましたけれど、
それはともかくとして、
鈴木さんによれば、
かわずといえば、
古来よりカジカガエルを指し、
谷川の岩間に棲んで美声を発するのだそうです。
わたしも、
田舎の山奥で聴いたのかもしれませんが、
これがそうだと知って聴いたことはありません。
谷川を流れているのは清水、
だから、
かわず(蛙)が飛び込むのは
常識的には清水、
それが清水でなく古池としたところがミソというかキモで、
滑稽味を重んじる俳句ならではであると。
合点がいきました。
そういうことも教えてもらった『連句茶話』
わたしの書評が
今週発売号の『図書新聞』に掲載されますので、
よろしければどうぞ。

・黒々の好物につく金の蠅  野衾

蟻二匹

 

・風薫るショーウインドー前和服かな

朝、
桜木町にある本町小学校横の階段を上っていたとき、
眼の下で
つつ、つつ、つつ、

何やら動いていましたので、
屈んで見ましたら
蟻が二匹して
捕まえた獲物を、
人間ならばさしずめえっちらおっちら
運んでおりました。
がんばるなー、蟻。
というわけで、
やおら鞄のポケットからスマホを取り出し
写真のボタンを押しました。
それが下の。
あまり上手に写せませんでした。
どこに蟻がいるか分かりません。

・愚痴抑え坂道下る薄暑かな  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。