霊感タクシー

 

・ベランダに春を届けて嵐過ぐ

おとといのことですが、
体調悪しくタクシーに乗りましたら、
運転手が、
問わず語りにいろいろ怖い体験を話してくれました。
そういう話が好きなんだな
と思ったものですから、
サービス精神の旺盛なわたしとしては、
体調悪いにもかかわらず、
黙って聞いているわけにもゆかず、
かつて関西出張の折に泊まったホテルで、
深夜、
天井から下がっていた
ロープを見たエピソードを披露するや、
運転手、
運転中にもかかわらず、
わたしのほうを振り向き
目をきらきら~ん!
おいおい、
危ねーよ、
ちゃんと前を向いて走ってよ。
それからも、
金縛りにしょっちゅうかかっていたのが、
引越しをしたらとたんにかからなくなったとか、
とにかく、
そういったたぐいの話が
やたら好きな運転手で、
この運転手、
運転手というのは仮の姿で、
ほんとは人でなく
霊なのでは、
なんて思いました。
そういえば…
てか。

・鶯や嵐のなかのいのちかな  野衾