魅力の女人たち

 

・窓の春円地源氏の森を往く

いまふうに女性というのもなあ。
どぶろっくふうに
おんなおんなおんな~、おんなおんなおんな~、
てのもちがう気がするし。
やっぱ女人でしょう。
女性じゃなく女人、
にょにんと言っただけで、
なにやら時代がかってくるではありませんか。
さて、
切りのいい十度目の源氏物語は、
円地文子訳。
源氏物語には
氏素性、見目形、性格の異なる魅力的な女人たちが
あまた登場してまいりますが、
自分の周囲にいるあの女性この女性を
作中の女人に当てはめて読み進めるのもまた一興。
あのひとは、
くっくっくっ夕顔かな、
あのおばさんは弘徽殿女御でしょう、
若紫は、
ま、措いといて、
鼻がデカくて赤い末摘花はと、
いたいた、
それからえ~と
横浜高島屋の彼女はさしずめ花散里で、
日本生命の彼女は朧月夜か、
とかとか。
紫の上を乙羽信子が演った映画を観たことがありますが、
脚本が新藤兼人だから
さもありなんとして、
え~っこれが紫の上なの~
って思いましたけど、
乙羽さんでなく
どなたが演っても
きっとそう思ったでしょうね。

京都大学出版会から刊行された『学術書を書く』
の書評が図書新聞に掲載されました。
コチラです。

・願掛けし明石の入道春を待つ  野衾