大寒を前に

 

・正月を終へて故郷を想はざる

きのうは寒かったですねー。
が、
日中空は真っ青でしたから、
重い靴でずんずん馬車道まで歩きました。
勝烈庵で盛り合わせ定食を食べ、
また会社までずんずんと。
風がありまして。
それもかなりの強風。
感覚が麻痺しましたね。
少しでも
お日様に当たらんと、
日陰を避け交差点で立っていたら、
黒いストッキングを穿いた
髪の長いきれいなおねえさんが
両腕でわが身を抱きかかえんばかりにしながら
その場で足踏みしつつわたしの隣の陽だまりに入ってきました。
ははは。
いいこともあるし。
なんて。
妄想。
きょうも寒そう。
転んでコケそう。
外では風がきゅるきゅる軋んでいます。

・酒缶を空けて一滴惜しみけり  野衾

ひとから物を買う

 

・関東に雪行き交う人や上向かず

インターネットは便利至極で、
古書から日本酒まで、
イカの塩辛からパンツまで、
お香から豚バラブロックまで、
このごろはネットショップを利用しています。
どんどんエスカレートしていくわけですが、
わがままというかなんというか、
物を買うときの
店員さんとの
ちょっとしたおしゃべりが欲しくなり、
ネットで買えばすむのに、
わざわざ街場の店に出向くこともあります。
そうして、
「お似合いですよ~」
なんて言われると、
「そ~お~!?」
妙に猫撫で声になるんであります。
はなし変わって靴のこと。
今気に入って履いている靴は、
すごく重い。
秋田に履いていったとき、
母が手で持ち上げて驚いていました。
これまた便利楽ちん軽量軽快とは程遠い。
なのですが、
これを履いていると、
一歩ごとに足裏が大地をつかむ
とでも申しましょうか、
えもいわれぬ感覚なんでございます。
インターネット、ジャパネットに解消されない喜び
と楽しさも
やっぱり失いたくない。

・さびさびはさむいと言うより寒いのよ  野衾

橋本照嵩写真展

 

・叢やほとのぬめりの懐かしき

日本のムラの中に潜んでいる琵琶法師や瞽女の姿を追い続けた
橋本照嵩さんの写真展
「琵琶法師 野の風景 橋本照嵩」が今、
東京駅八重洲口から徒歩10分の
ZEIT-FOTO SALONで開催されています。
1970年代の雪国の風土と暮らし、
その象徴としての「叢」がジワリ迫ってきます。
写真集『叢』(Zen Foto Gallery)も同時発売。
写真集には
拙稿「橋本照嵩――バカ写真家論」が収録されています。
写真展は、
2月27日(土)まで。
『瞽女』『北上川』『石巻 2011.3.27~2014.5.29』
精神的根っ子がうかがい知れます。
お誘いあわせのうえ、
どうぞお運びください。

図書新聞に、
堀 忠三『写真集 老農 北上高地の生 40年の記録』の書評
が掲載されました。
コチラです。

・毛布巻きハドリアヌスの未練読む  野衾

静かパソコン

 

・六本木紫服の子らは純情派?

わたしのこの日記は、
自宅の机上に置いてある
デスクトップ型のパソコンで書いている(打っている)
のですが、
いたって静かなので、
勝手に
「静かパソコン」と呼んでいます。
に対し前のは
「五月蝿パソコン」
ほんとうにうるさかった!
スイッチを入れ立ち上げると、
うぃうぃうぃ~~~~ん
って、
それこそ、
発動機のような音を発したものでした。
でも聞くところによると、
水冷式のパソコンというのがあるらしく、
少しお高くなるけれど、
もっと静かなのだとか。
「静かパソコン」より静かなので、
「より静かパソコン」と名づけるか?
それはともかく、
買わないまでも、
どんなのか、
ちょっと見てみたい気もします。

・三つ子たちお国自慢の県民ショー  野衾

ちょろちょろと

 

・人生の七区を走る箱根かな

何事も準備体操が大事
ということで、
今月はあまり勢いを上げず、
ちょろちょろ始めよう

思っていたのですが、
世間はそれを許してくれず、
いきなり、
怒涛のごとき様相を呈してまいりました。
なんて。
怒涛はちょっと大げさでした。
でも、
さざなみ、
というわけにもいきません。
あの装丁のカンプをいつまでに上げてもらい、
その前に
束見本を頼まなくちゃ、
印刷所にファックスを入れてと、
それからええと、
S先生の最終校正ゲラの戻りは今週末か、
それを過ぎたら
ちとヤバイぞ、
K先生の解説原稿は、
そうか、
時間さえとれれば
あと二、三日で完成するとおっしゃっていたな、
Tさんは、
月曜日の午後二時にいらっしゃる、
O先生の跋文を持参してだといいけれど、
………と、
意識の流れはいつでもこんな風。

・一月を尾張の人と暮らしけり  野衾

専務イシバシのお正月

 

・松本やおひとりさまを出迎へり

久々、専務イシバシの登場です。
こんなお正月だったと、文章を託されました。
以下をご覧ください。

 

「松本城とメガネ」

正月、松本に行った。“おひとりさま”の旅である。
古書店を冷やかし、松本城に登り、
百年を越す歴史ある化粧品店で眉毛をカット。
城下町らしい品格のある街並みだ。
ゆっくりとだらだら四時間ほど歩き、
さぁ「あずさ」に乗って帰ろう!
という時に、
メガネがないことに気がついた。
半ば諦めながら、
それでも諦めきれず、
城の入場券の半券に記されている管理事務所に電話をしてみた。
感じのよい女性が対応してくれ、
今のところ届いていないが、
あったら連絡をするとのことだった。
翌日、
案の定連絡はなかった。
あくる日、
感じのよい男性から電話があった。
お探しのメガネかどうか、写真をメールでお送りしますと。
私のものだった。
新調して二か月のメガネ。
老眼、乱視、いろいろ加味されている。
ただただ感謝。
メガネを拾ってくれた方、
管理事務所の方、
ありがとうございました。
ということで、
また近いうちに松本に行きます!

 

・雪ちらり松本城は曇りけり  野衾

きょうは火曜日

 

・冬の日のテレビ観ているごろ寝かな

きのうは成人の日で休みでしたから、
休日明けですが、
月曜日でなくきょうは火曜日。
あやうく、
紙ゴミを出さなきゃ、
なんてさっき思いました。
そういえばきのう、
「きょうは月曜だから紙ゴミの日だわ」
とか言って、
家人がゴミをまとめて出していたっけ。
それをすっかり忘れていました。
いやはや。
さて火曜日ということは。
会社近くの食べ物屋が休みでない。
マイカフェも、
坂の途中のKIKUYA CURRYもやっている。
なので、
遠出する必要はない。
とはいうものの、
昼までに、
少なくともそのことを
二、三回はちゃらっと忘れ、
福家へ行こうか、
それともちょっと歩いて勝烈庵まで、
なんて思うに決まっています。

・雪掻きをせずに秋田を離れけり  野衾