一日の苦労

 

・目の前を過ぎて地に着く落ち葉かな

だから、あすのことを思いわずらうな。
あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。
一日の苦労は、その日一日だけで十分である。

わたしが生まれる前の
一九五五年に改訳された口語訳聖書、
「マタイによる福音書」六章三十四節にあることばですが、
ふと、
とにかく一日、
ふと、ふと、ふと、ふと、
が多くあり、
無視することがほとんどとはいえ、
無視しないほうがいいかも、
と、
ふと思うこと間々あり、
今回は、
無視しないことにしまして、
文語聖書をひらいてみました。

この故に明日のことを思ひ煩ふな、
明日は明日みづから思ひ煩はん。
一日の苦労は一日にて足れり。

とこうあり、
どちらがよいとはいえないし、
いう必要もありませんけれど、
それよりも、
いちにちのくろういちにちのくろう。
きのうのでなく、
あしたのでない、
いちにちのくろうだなぁ。
今週はきょうで終り。

・いま離れくるり「す」と散る落ち葉かな  野衾