・夕過ぎて窓下賑わす虫の声
駒澤大学へ行った帰り、
喫茶店で俳優の日色ともゑさんを見たことは
きのうここに書きましたが、
もうひとつ
忘れてならないことがありました。
それは、
田園都市線駒沢駅構内でのこと。
階段を下り
地下通路を歩いていると、
イシバシが、
「ほら、ほら…」と前方を注視しています。
見れば、
スーツ姿の颯爽とした女性が、
大きく脚をひらき、
そうですね、
かかととかかとの間が
少なくとも
四十センチはあったでしょう。
膝をピンと伸ばし。
あごを気持ち前に出し、
携帯電話をかけているところでした。
なぜ脚をひらく必要があるのでしょうか?
彼女の横を通り越し、
二十メートルほど進んだとき、
阿吽の呼吸でイシバシと振り向くや、
離れていますから
姿は小さくなっていましたが、
かえって形くっきりと、
彼女は「Y」の字を逆さにした姿で立っていました。
*
図書新聞に、
寅さん本の書評が掲載されました。
コチラです。
・秋なれば空深くより音来る 野衾